トレントは違法?情報開示請求を拒否した場合は逮捕される?弁護士が解説

トレントは違法ではありませんが、他人が著作権を有する作品のダウンロード、アップロードのために使うことは違法です。こうしたやり取りは著作権法に抵触するため、著作権者が刑事告訴すれば、トレントの利用者が逮捕されることもあります。
トレントの違法な利用による情報開示請求を受けた場合、拒否しても開示がなされて、身元を特定されてしまう可能性が高いです。
このような状況に陥った時は、早めに弁護士に相談することが大切です。
この記事では、
- トレントは違法なのか?
- トレントの違法な利用で情報開示請求を受けた場合、どう対処すべきか?
について解説します。
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トレントとは
トレントは、ネットワーク上でP2P方式で、ファイルの共有や交換ができる仕組みのことです。
ユーザー同士がパソコンなどで直接つながり、ファイルをアップロードしたりダウンロードすることができます。
特に、容量の大きなファイルについては、一箇所からダウンロードすると負荷がかかりますが、複数のユーザーから断片化されたファイルを集める形になるので高速でダウンロードできる利点があります。
そして、トレントの利用で特徴的なのが、ファイルのダウンロードだけでなく必ずアップロードも行っているということです。
トレントが違法となるのは?
トレントは合法的に利用している限りでは特に違法ではありません。
トレントが違法となるのはダウンロード、アップロードするファイルに問題がある場合です。
例えば次の場合です。
- 他人が著作権を有する作品のファイルだった
- ファイルの内容自体が違法だった
具体的に見ていきましょう。
他人が著作権を有する作品のファイルだった
他人が著作権を有する作品のファイルとは、商業出版されている動画、映画、音楽、漫画、小説などの著作物のことです。
これらの作品は、著作権者以外の人がアップロードすることは、著作権を侵害する行為になるため違法です。
また、違法にアップロードされた著作物を違法だと知りながらダウンロードする行為も違法とされています。
トレントは、ダウンロード、アップロードのどちらも行うため、他人が著作権を有する作品をやり取りしている場合は、違法となります。
著作権法にはこのような行為に対する刑罰が設けられており、それぞれ次のように規定されています。
- 他人の著作物を違法にアップロードする行為:10年以下の拘禁刑若しくは1000万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する(著作権法119条1項)。
- 違法にアップロードされた著作物を違法だと知りながらダウンロードする行為:2年以下の拘禁刑若しくは200万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。(著作権法119条3項)
ファイルの内容自体が違法だった
違法なファイルとは、児童ポルノやわいせつ作品などのことです。
特に児童ポルノについては、所持するだけで違法とされており、刑罰の対象になります。
具体的な刑罰は次のとおりです。
- 児童ポルノ所持(ダウンロードした場合):1年以下の拘禁刑又は100万円以下の罰金に処する。(児童ポルノ禁止法7条1項)
- 児童ポルノ提供(アップロードした場合):3年以下の拘禁刑又は300万円以下の罰金に処する。(児童ポルノ禁止法7条2項)
- 不特定若しくは多数の者への提供の場合は、5年以下の拘禁刑若しくは500万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。(児童ポルノ禁止法7条6項)
トレントを違法に利用した場合の逮捕までの流れ
上記のようにトレントを違法に利用した場合は、警察に逮捕されるリスクがあります。
まず、児童ポルノ等、ファイルの内容自体が違法の場合は、トレントでのやり取りを警察が探知すれば、すぐに捜査に動くこともあるので、いきなり警察官が来て、逮捕されることもあります。
一方、他人が著作権を有する作品については、直ちに警察が捜査に動くとは限りません。
こうした作品は、著作権を有する人がトレントでのやり取りを監視し、違法なやり取りを確認したら、トレント利用者の特定に動きます。
トレント利用者の特定のための手続きを発信者情報開示請求訴訟、又は発信者情報開示命令事件の申立てといい、いずれも著作権を有する人が裁判所に訴えを起こすなどして手続きが進められます。
こうした手続きの途上で、アクセスプロバイダーからトレント利用者に対して、発信者情報開示に係る意見照会書が送られてきます。
トレント利用者は、これに対して同意するか、拒否するかを選択します。
トレントを違法に利用したケースでは、拒否したとしても、裁判所は情報開示を認めてしまうことが多いです。
その後は、トレント利用者の氏名、住所、連絡先などを知った著作権者が、刑事告訴を行います。
告訴を受けて、警察や検察が悪質な事件だと判断した場合は、著作権法違反の容疑でトレント利用者の逮捕に踏み切ります。
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トレントの違法な利用で逮捕を回避するには?
著作権法違反の刑罰は原則として親告罪とされています(著作権法123条1項)。
そのため、著作権者が刑事告訴しなければ、警察や検察が動くことはなく、トレント利用者が逮捕される事はありません。
トレント利用者としては、著作権者との示談などを行うことで、告訴を取り下げてもらったり、告訴しない取り決めを行えば、逮捕を回避することができます。
トレントの違法な利用で逮捕されそうな時の対処方法
トレント利用者が著作権者側が刑事告訴に向けて動いていることを知るのは、アクセスプロバイダーから「発信者情報開示に係る意見照会書」が送られてきた時です。この時点からの対応次第で、逮捕されるかどうかが違ってきます。
意見照会書に同意するか拒否するか?
心情としては、拒否したいと思うでしょう。
しかし、残念ながらトレントの違法利用では、拒否しても、裁判所は開示を認めてしまう事が多いです。
トレントを利用した覚えが全く無いという状況以外では、同意した方が著作権者側との示談を成立させやすいですし、逮捕されにくいと言えます。
著作権者側から内容証明郵便等が送付されてきたら?
発信者情報開示請求によって、トレントの利用者を特定したら、著作権者側は、刑事告訴に進みます。ただ、いきなり刑事告訴することは少ないです。
まず、トレントの利用者に対して、警告や民事上の損害賠償を求める旨の通知が内容証明郵便等で送付されるのが一般的です。
これに応じて、トレントの利用者が賠償金を支払えば、刑事告訴を行わないというケースもあります。
この時点で、誠意のある対応をしない場合は、著作権者側が刑事告訴に踏み切る可能性が高いです。
まずは弁護士に相談する
トレントを違法に利用したために、意見照会書が送られてきたら、まず、弁護士に相談するのが最善です。
意見照会書に拒否したり、無視しても、発信者情報開示の手続きが進められてしまうケースが多いため、弁護士と相談の上、同意等の対応を取りましょう。
そのうえで、著作権者側から内容証明郵便等が送付されてきたら、弁護士に依頼し、示談交渉を試みてください。
著作権者側の損害賠償請求額が、適切であるとは限らないので、弁護士に相談し金額が過大ではないか確かめることが大切です。
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逮捕されないための示談交渉のポイント
逮捕を回避する目的であれば、示談交渉において、刑事告訴しないとの言質を得ることが大切です。
具体的には示談書を作成し、その中に、「宥恕条項(ゆうよじょうこう)」と言い、「被害者は加害者を許し、加害者の刑事告訴を行わない」といった条項を入れてもらいます。
宥恕条項が盛り込まれれば、著作権者側が刑事告訴を行うことはありませんので逮捕を回避できます。
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まとめ
トレントの違法な利用で発信者情報開示に係る意見照会書が送られてきたり、著作権者側から内容証明郵便が送られてきた場合は、無視していると、刑事告訴されてしまい、逮捕されるリスクがあります。
こうした事態を防ぐためには、著作権者側との示談交渉を試みることが大切です。
弁護士にご相談いただければ、対処方法についてアドバイスしますし、著作権者側との示談交渉も迅速に対応します。
弁護士法人法の里は、トレントの利用による情報開示請求などのネットトラブル対応実績が多数あります。まずはお気軽にご相談ください。
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