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プロバイダから開示請求されたら|著作権侵害・情報公開について弁護士が解説

2024年9月8日

突然、開示請求が行われた場合、投稿や行動に問題があると感じた人が特定の手続きを進めている可能性があります。

この記事では、トレントや誹謗中傷などの開示請求によって公開される内容や、発信者情報が特定されるまでの期間、そして適切な対応策とその後の損害賠償リスクについて説明します。

>>トレントによる開示請求をされてしまった方の対処法はこちら

>>発信者情報開示請求されたら?届いた後の流れを弁護士が解説

発信者情報開示に係る意見照会書」についてすぐに相談したい方、示談したい方、交渉して欲しい等、発信者情報開示請求に強い弁護士法人 法の里にご相談ください。相談無料ですので、お気軽にお問合せください。

この記事の監修者

弁護士:髙橋 健一

弁護士:髙橋 健一

2009年弁護士登録(東京弁護士会所属)
開示請求・爆サイ、5ちゃんねる等の掲示板やSNSでの削除、投稿者の特定を得意としています。状況を分析、解決策のご提案します。

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プロバイダから開示請求された場合の対応

対応
発信者情報開示請求とは、開示を要求される相手に対して、自身の情報を提供するかどうかを確認する手続きです。

もし開示を許可する場合、プロバイダはあなたの同意に基づき情報を相手に提供します。

一方、開示を拒否する場合は、プロバイダが判断します。

しかし、プロバイダが開示を拒否しても、相手は裁判所を通じて開示を求めることができます。

裁判所が開示を命じれば、あなたの意思に関わらず情報は相手に開示されます。

もし相手によって身元が公開された場合、それを利用して民事訴訟や刑事告訴を受ける可能性があります。

プロバイダからの開示請求の条件

開示請求の条件
発信者情報開示請求は、情報発信者の身元を特定する手続きですが、すべての場合において行えるものではありません。

無条件で開示してしまうと、本来正当な情報発信が抑制されたり、不当な攻撃が行われる可能性があるため、プロバイダ責任制限法(以下、法と呼びます)では、以下の要件がすべて満たされた場合にのみ開示が認められます。

特に重要な要件は「権利侵害の明白性」です。

ただし、「権利侵害の明白性」については一般の方が適切に主張や証明を行うことは非常に難しいため、専門的な知識や経験が必要です。そのため、一般の方が自身で開示請求を行うのは困難です。

開示請求が認められるためには、以下の要件が必要です。

1.疑わしい違法行為や不正行為の存在

開示請求が認められるためには、相手方が違法行為や不正行為を行っていると疑われる重要な要素があります。例えば、匿名掲示板での名誉毀損やSNSでのなりすましによる著作権侵害などが該当します。開示を求める側は、具体的な証拠や信頼性の高い情報を提出する必要があります。

例: インターネット上で違法に著作権を侵害しているサイトがあり、その運営者の身元を特定したい場合、著作権侵害の報告や具体的な被害事例を示すことが必要です。

2.必要かつ合法な目的の存在

開示請求が認められるためには、相手方が開示を必要とし、かつ合法的な目的があることが重要です。例えば、法的紛争の証拠収集や犯罪捜査に関連する情報の開示が該当します。

例: 刑事事件の捜査中に、インターネット上で犯罪を計画していると疑われる人物の身元を特定したい場合、警察などの公的機関が適切な手続きを経て開示請求を行います。

3.開示の利益が公共の利益を上回ること

開示請求が認められるためには、開示の利益が公共の利益を上回る必要があります。

つまり、情報の開示によって社会的な利益や公共の安全が守られることが期待される場合に、開示請求が認められる可能性が高くなります。

例: インターネット上で違法な児童ポルノ画像を配信しているサイトがあり、そのサイトの運営者の身元を特定したい場合、児童の安全を守るために開示が必要です。児童ポルノは犯罪であり、被害に遭っている児童の心身の健康や人権が脅かされています。このような状況では、児童の保護と被害の防止が公共の利益とされています。

開示によって警察や捜査機関は、運営者の身元を特定し、違法な活動を行っている人物を摘発し、被害児童の保護に取り組むことができます。また、開示を通じて児童ポルノの拡散や犯罪行為の阻止にもつながります。

児童の安全を守るためには、早期の発見や対応が重要です。開示請求によって違法な行為を行っている者たちの身元が明らかになり、法的措置や保護措置が行われることで、児童の被害を最小限に抑えることができます。

開示請求によって公開される情報の範囲とは

情報の範囲
開示請求によって公開される情報は、プライバシーや個人情報に関わる重要な内容です。開示請求によって公開される情報は、以下のようなものがあります。

1.発信者の個人情報: 開示請求が認められた場合、相手に対して発信者の個人情報が開示されます。これには、氏名、住所、連絡先などが含まれます。

2.コンテンツ情報: 開示請求が対象とする特定のコンテンツに関連する情報も開示されます。これには、投稿内容やメッセージの内容、ファイルの内容などが含まれます。

3.関連情報: 開示請求によって関連する情報も開示される場合があります。これには、IPアドレスやログ情報、アカウントの作成日時などが含まれます。

開示される情報は、開示請求の対象となった特定の問題や事件に関連するものであり、適切な手続きや法的な判断を経て開示されることになります。

ただし、開示された情報の不適切な使用や悪用を防ぐために、情報の取り扱いには慎重さが求められます。

特定されるまでの期間

情報発信者の特定には、いくつかの要素や手続きが関与します。情報発信者が特定されるまでの期間は、以下の要素に影響を受ける場合があります。

1.プロバイダの協力:
情報を保持しているプロバイダは、開示請求に応じて情報を提供する役割を担います。しかし、プロバイダの対応には時間がかかることがありますので、特定までにはその対応時間も考慮されます。

2.判決や法的手続きの必要性:
特定の情報発信が問題となった場合、訴訟や法的手続きが必要になることがあります。特定されるまでには、裁判所や関係機関による判決や裁定の過程や手続きが必要です。これには時間がかかることもあります。

3.技術的な困難さ:
インターネット上では、匿名性やプライバシー保護のための技術的な手段が存在します。情報発信者の特定には、IPアドレスやログデータ、メールアカウントなどの情報を調査する必要がありますが、これらの情報はプライバシーの保護や法的な要件により制限があります。そのため、情報の取得や解析には時間がかかることがあります。

なお、2022年10月1日に改正プロバイダ責任制限法が施行され、特定されるまでの手続きが変更されました。

この改正法では、情報発信者の特定を行うために、コンテンツプロバイダ側にIPアドレスなどのアクセス情報の開示を求めた後、接続プロバイダ側に発信者情報の開示を求めるというプロセスが行われます。

この新たな手続きにより、特定されるまでの期間が短縮されました。

どんな些細なことでも相談は無料ですので、お気軽にお問合せください。

プロバイダより発信者情報開示請求された場合の対応について

意見照会の開示を拒否する場合
もし、あなたが発信者情報開示請求を受けた場合、意見照会書が届きます。相手はあなたの情報を手に入れたいと考えており、その正当性や訴えの根拠を示すために開示を求めています。

しかし、あなたがその開示を拒否する場合、プロバイダ側はあなたの意思を尊重し、相手に情報を開示しません。例えば、あなたがウェブサイトで意見を述べたことについて相手が不満を抱いた場合、あなたは自分の発言を守りたいと考えるかもしれません。

その場合、開示を拒否することで自分の権利を守ることができます。しかし、反論には法的な根拠を示すことが重要ですので、専門家の意見を聞くようにしましょう。

意見照会の開示に同意し、示談する場合:
開示請求を受けた後、あなたが相手と話し合いを進め、示談に応じることもあります。

たとえば、あなたがSNS上で誤解が生じた場合、相手と直接対話して誤解を解き、和解に至ることができるかもしれません。この場合、あなたは相手の主張を受け入れ、情報の開示に同意することで問題解決を図ることができます。

しかし、注意が必要です。相手が不当な要求をしている場合や、示談に応じた結果が自分に不利になる可能性がある場合は、法的なアドバイスを求めることが重要ですので、専門家の意見を聞くようにしましょう。

意見照会を無視する場合:
意見照会書が届いたにもかかわらず、あなたがその内容に対して回答や返答を行わない場合、プロバイダは自己裁量で情報の開示を判断することがあります。

相手が法的手続きを起こし、裁判所が開示を命じる判断を下した場合、あなたの情報は相手に開示される可能性があります。このようなケースでは、意見照会に適切に対応することが重要です。

例えば、相手があなたの著作権を侵害したと主張している場合、証拠を提出し、自身の権利を主張するための対応が求められます。まずは、自身の作品のオリジナリティや制作経緯を裏付ける証拠を集めましょう。

これには、作品の制作日時や公開履歴、関連する資料や証人の証言などが含まれます。

証拠を集めたら、著作権や知的財産権に詳しい弁護士に相談し、適切な対応方法を確認しましょう。

しかし、何も根拠もないまま「無視する」ことはやめましょう。無視したことで、「誠意がない」とされ、最終的に損害賠償請求や懲役が科される可能性があります。



発信者情報開示請求をされた後の損害賠償はどうなる?

損害賠償
慰謝料:例えば、あなたがインターネットの掲示板で誹謗中傷する内容の書き込みを行ったとします。その書き込みが特定され、被害者があなたに対して慰謝料を請求する場合、慰謝料の金額は以下のような要素に基づいて決定されます。

発信内容の重大性:中傷の内容が深刻であるほど、被害者の苦痛も大きくなります。
影響の程度:発信内容が広く拡散された場合、多くの人々に影響を与える可能性があります。
被害者の立場:被害者が社会的な地位や評判を持っている場合、慰謝料の金額も高くなる傾向があります。

著作権侵害の損害賠償:
例えば、あなたがトレント等のファイル共有ソフトで著作物を無断で使用したとします。その使用が発覚し、著作権者があなたに対して損害賠償を請求する場合、損害賠償の金額は以下のような要素に基づいて決定されます。

使用された著作物の価値:使用された著作物が商業的な価値を持っている場合、その価値の減少分が損害として考慮されます。

使用範囲:著作物の一部を使用したのか、全体を使用したのかによっても損害の程度が異なります。
著作権者の損失:著作権侵害によって著作権者が受けた実際の損失や利益の減少も考慮されます。

調査費用:
例えば、あなたがインターネットの掲示板で誹謗中傷を行い、被害者があなたの特定のために調査を行ったとします。その調査にかかった費用を被害者があなたに請求する場合、調査費用の請求は次のような要素に基づいて考慮されます。

調査の必要性:被害者は、あなたの匿名行為の特定に向けて調査を行った必要があります。その調査が合理的かつ必要なものであった場合、その費用は請求の対象となります。
調査の範囲と費用:調査の範囲や手段によって費用は異なります。例えば、専門の法律専門家を雇った場合、それにかかる費用が請求される可能性があります。
合理的な費用:請求される調査費用は、合理的かつ公正な範囲内である必要があります。不当に高額な費用が請求された場合、それに対して異議を申し立てることができます。

以上が一般的な基準ですが、具体的な損害賠償の金額は個別のケースや地域の法律によって異なる場合があります。

したがって、損害賠償請求に関しては専門の法律専門家に相談し、適切なアドバイスを受けることが重要です。

発信者情報開示に係る意見照会書が届いたら、なるべく早く弁護士に相談しよう

弁護士に相談
発信者情報開示に係る意見照会書」については、同意することも拒否することも可能です。

ただし、拒否する場合は、権利侵害が行われていないことなど、法的な根拠に基づいて拒否する理由を明記する必要があります。

また、意見照会書には回答期限があります。

安易に拒否したり無視したりすると、その後請求者から損害賠償を求められたり、刑事告訴されるリスクもありますので、もし意見照会書が届いたら、早めに開示請求に詳しい弁護士に相談することが重要です。

発信者情報開示に係る意見照会書」についてすぐに相談したい方、示談したい方、交渉して欲しい等、開示請求に強い弁護士法人 法の里にご相談ください。相談無料ですので、お気軽にお問合せください。

あなたの悩み、最短1日で解決いたします

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この記事の監修者

弁護士:髙橋 健一

弁護士:髙橋 健一

2009年弁護士登録(東京弁護士会所属)
開示請求・爆サイ、5ちゃんねる等の掲示板やSNSでの削除、投稿者の特定を得意としています。状況を分析、解決策のご提案します。

ネット上の誹謗中傷、1日でも早く削除したいなど、困ったことがあれば、被害が大きくなる前にまずはご相談ください。

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