VTuberが誹謗中傷被害に遭った場合の対応方法・法的措置は?
VTuber(バーチャルYouTuber)として活動している中で、誹謗中傷被害を受けることは珍しくありません。
ただ、VTuberへの誹謗中傷は、「アバター」と「中の人」のどちらに向けられたものなのかにより、取るべき法的措置も異なります。
中の人に向けられたものやアバターと中の人の同一性が知られている場合は、名誉毀損として刑事上、民事上の措置を取ることができます。
一方、アバターのみに向けられたものである場合は、刑事上の責任を問うことは難しいですが、民事上、名誉感情を傷つけられたことを理由に損害賠償請求することができます。
※2024年11月21日、VTuberへの被害相談が増えています。手遅れになる前に今すぐ『メディアを見た』とお伝えした上でご相談ください。
この記事ではVTuber(バーチャルYouTuber)が誹謗中傷被害に遭った場合の対応方法について解説します。
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VTuber(バーチャルYouTuber)とは
VTuber(バーチャルYouTuber)とは、3Dや2Dで制作したアバターを動かして、YouTuber(YouTube動画の投稿者)として活動する人たちのことです。
最近では、YouTubeに限らず、他の動画配信プラットフォームでも、アバターで活動する人をVTuberと表現しています。
VTuber(バーチャルYouTuber)とYouTuberの違い
VTuberとYouTuberの大きな違いは、顔出しして配信しているかどうかです。YouTuberは、本名と異なる芸名などで活動しているにしても、人(自然人)であることに変わりはありませんから、その人に対する誹謗中傷に対しては当然に法的措置を講じることができます。
一方、VTuberは、アバターにすぎず、アバターが誹謗中傷に晒されたとしても、中の人が直接、誹謗中傷を受けているとは限りません。
そのため、中の人が誹謗中傷を行った人に対して、法的措置を講じることができるのかが問題となります。
VTuberが誹謗中傷を受けた時に法的措置を取れるかどうかのポイント
VTuberが誹謗中傷を受けた時に、中の人が講じることができる法的措置の程度は、次の3つの点を検討して判断します。
● 誹謗中傷が中の人に向けられたものなのかどうか?
● 社会的地位の低下につながるか?
● 名誉感情が侵害されているのか?
誹謗中傷が中の人に向けられたものなのかどうか?
まず、アバターと中の人の同一性がどの程度認知されているか検討が必要です。
例えば、芸能人がアバターを動かしており、そのアバターの中の人がその芸能人であることが広く知られている状態でしたら、アバターへの誹謗中傷は、その芸能人への誹謗中傷と捉えることができ、芸能人への誹謗中傷と同様の法的措置を講じることができます。
一方、中の人が誰であるか知られていない状態でしたら、アバターへの誹謗中傷を中の人への誹謗中傷と捉えることは難しくなります。
ただ、誹謗中傷の内容によっては、アバターだけでなく、中の人へ向けられたものと判断できることもあります。
この場合は、中の人への誹謗中傷として法的措置を講じることもできます。
社会的地位の低下につながるかとは?
誹謗中傷が名誉毀損に当たる場合は法的措置を講じることが可能になります。
名誉毀損に当たるかどうかの判断基準は、名指しされた人の社会的地位が低下したかどうかがポイントになります。
ただ、VTuberへの誹謗中傷の場合は、その内容が社会的地位の低下につながる内容だとしても、それがアバターだけでなく、中の人の社会的地位の低下につながるものなのかの検討も必要です。
被害を受けているのがアバターだけで、中の人の社会的地位に影響がない場合は、名誉毀損と言えないこともあります。
名誉感情が侵害されているのか?
名誉感情とは、人が自分を大切に思う気持ちのことで自尊心とも言い換える事もできます。
VTuberへの誹謗中傷がアバターのみに向けられたものだとしても、中の人がアバターを大切に思う気持ちは傷つけられていることになります。
そのため、名誉感情が侵害されたことを理由とする民事上の損害賠償請求は可能になります。
どんな些細なことでも相談は無料ですので、お気軽にお問合せください。
VTuberが誹謗中傷の被害に遭った場合の対応ポイント
VTuberが誹謗中傷の被害に遭った場合は、まず、誹謗中傷の投稿について削除を求めたり、誹謗中傷を行っている人を特定するための発信者情報開示請求を行うべきです。
その際、注意したい点を解説します。
直接の反論は避ける
VTuberとして直接反論することは様々なリスクがあります。
まず、VTuberのキャラクターイメージが崩れてしまう可能性がありますし、さらなる炎上を呼び寄せてしまうこともあります。
また、投稿内容によっては、法的措置を講じる際に不利になる可能性もあります。
誹謗中傷の証拠を残す
誹謗中傷を理由に発信者情報開示請求等の法的措置を講じる際は、その証拠を残すことが大変重要です。次のような証拠をスクリーンショット等として残しておきましょう。
● 誹謗中傷コメントの内容
● そのコメントと関連する前後のコメントや他のユーザーとのやり取りの内容
● 誹謗中傷コメントの投稿日時
● 誹謗中傷コメントの固有URL
削除請求は慎重に行う
誹謗中傷コメントの内容によっては、そのまま残すことが、VTuberの活動の支障になることもあります。
そのため、削除請求を行う場合もあると思いますが、誹謗中傷の証拠が消えることになるため、法的措置を検討している場合は慎重に対応する必要があります。
VTuberが誹謗中傷を受けた際に取りうる法的措置の内容
誹謗中傷に対する法的な措置は、刑事上のものと民事上のものの2つがあります。
刑事上の措置
刑事上の措置としては、誹謗中傷が刑法230条の名誉毀損罪に該当するとして告訴する方法が挙げられます。
ただ、誹謗中傷がアバターのみに向けられたもので、中の人の名誉が毀損されていない場合は、刑事責任を問うことは難しい場合がほとんどです。
民事上の措置
中の人への名誉毀損に当たる場合は当然、損害賠償を求めることができます。
さらに、誹謗中傷がアバターのみに向けられたもので、中の人の名誉毀損に当たらない場合でも、中の人の名誉感情が傷つけられたと主張することは可能ですし、これを理由に損害賠償を求めていくことができます。
どんな些細なことでも相談は無料ですので、お気軽にお問合せください。
VTuberが誹謗中傷を受けたら弁護士に相談しよう
VTuberへの誹謗中傷はアバターと中の人のどちらに向けられたものなのかにより、対応策が異なります。
アバターに向けられたものでも、中の人の名誉感情が傷つけられたことを理由に損害賠償請求を行うことができます。
その前提として、誹謗中傷を行っている人を特定するための発信者情報開示請求を行うこともできます。
いずれの場合でも、様々な観点から対応策を検討する必要があるので、できるだけ早めに弁護士に相談することが大切です。
弁護士法人法の里は、VTuberへの被害相談、動画や画像の削除、掲示板やSNSでの書き込みの削除・投稿者特定など、ネットトラブル対応実績が多数ございます。まずはお気軽にご相談ください。
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2009年弁護士登録(東京弁護士会所属)
VTuberへの被害相談・開示請求・爆サイ、5ちゃんねる等の掲示板やSNSでの掲示板の削除、投稿者の特定を得意としています。状況を分析、解決策のご提案します。